In Our Time | 前田塾塾生白書 ~ 仲間に出会う。時代を創る。

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第9回 北村 仁さん(2018夏合宿/トップキャリアコース1期生)

今回ご登場いただく北村仁さんは、合宿とトップキャリアコースに参加されました。

現在は、学生、学習塾の講師、そしてBizjapanの代表。

過密スケジュールの合間を縫ってお時間いただき、インタビューしてきました。

[Text: 西岡妙子] 

目の前にいない人にも、どれだけ想像力を働かせ、繊細に思いを馳せられるか 

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NPO法人Bizjapanの6期生で、代表を務めています。Bizjapanでは、メンバーがやりたいこと・興味のあること・課題の解決を実現するために各々でプロジェクトを立ち上げて活動するのですが、1年目だった昨年は先輩がリーダーだったプロジェクトに飛び込み、今年は代表としてコミュニティ全体のマネジメントをしつつ、自分のプロジェクトを立ち上げています。

bizjapan.org

大学2年生ですが、本業はどちらかというとBizjapanですね(笑)というより、どこまでがどっちか分けられないような生活をしています。
大学では、法学部の法学総合コースを専攻しています。司法試験や政治家を目指すだけではなく、もっと根本にある、法律を作るための思考の枠組みを探究したいなと考え、進路を選択しました。
もともと今の学部を志望した高校生の頃は、特に自分の中にはっきりと「何がしたい」というものはなかったのですが、尊敬する先輩が進学した先であり、特に他に行きたいところもなかったので、進学しました。そして学ぶうちに、その深さとおもしろさに気付きました。
理系の大半が物質に焦点を当てているのに対し、文系、特に法学は、人とその生き方に向き合う学問かな、と思います。「人はどうすればより善く生きられるのか」「どういう営みをすればよりよい社会になるのか」。
人々が生きてきた歴史、生き方から真摯に学び、そしてどうするかを考える。過去、現在、未来に生きる全ての人に向き合い、肯定する。法学はそういう素敵な学問だと、感じています。
「そもそも『善い』とは何か」。何が「善い」かも、その人が置かれている立場や文化的背景によって、当然定義が変わってきます。目の前にいる人はもちろん、目の前にいない人にもどれだけ想像力を働かせ、繊細に思いを馳せられるかが、法学を学ぶ自身に問われるんです。
そういったことが心にあるようになったきっかけは、小学校の頃に遡ります。大晦日に、家族で紅白を見ていたんです。子どもはたいていそうでしょうけど、演歌って興味ないですよね。それで、演歌が流れてるときに、「こんな曲要らないのに」と言ったら、父が「こういう音楽は誰のためにあるか、考えたことはあるか?」と。

「私たちはこたつでミカンを食べながら家族そろって紅白を見ているけれど、今この時も高速道路で荷物を運んでいるトラックのドライバーもいる。そういう人が、休憩で入った師走のサービスエリアで聞きたい音楽は、果たして本当に流行りのポップスだろうか? 世の中にはいろんな人がいて、様々な人の働きによって、私たちは正月を迎え、普通に暮らすことができるんだよ」と父に言われ、ハッとしました。その時の恥ずかしい思いは、今でも鮮明に残っていて、現在の僕にも影響している、のかもしれません。
今、僕自身が直面している課題としては、「人に仕事をお願いすること」「人を動かすこと」の難しさがあります。組織の代表として動いていると、情けないことに人の気持ちが見えなくなるようなときがあります。役職に就きながらも、周りの人の立場を想像してより良いものを共創していくことができるように意識しています。

将来どんな風に生きていくかは、まだ全くの未定です。自分の事業を立ち上げるか、国家の中枢に入って責任ある仕事をするか、お客さんの顔が見える仕事をするか、正直わかりません。

ただ、どんな環境であれ、まっすぐ生きている人・努力している人が、正当に報われる社会にしていきたい。そんな社会にしていくべく、自分に与えられた恩恵と責任をしっかり背負って生きていこうとは心に決めています。

みんな、それぞれの人生がある。それがおもしろい。

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幼いころにスペインに住んでて、そこでサッカーを始めたんです。……というと、始め方はすごい本格的ですよね(笑)そのあと小中高とずっとサッカーをやっていて、高校ではキャプテンも務めました。

小学生の頃はずっと遊んでいる子供でした。中学受験をしたのですが、小5くらいまでは塾が嫌いで(笑)公園で遊んだりゲームしたり、わんぱく小僧でしたね。
中高一貫校で、サッカーを部活としてやりながらも、将棋やカードゲームにはまったり陸上やってみたり……やっぱり遊んでばかりでしたね。文化祭や体育祭の行事も全力で。大学受験の勉強は、直前から。典型的な男子ですよね。

スポーツ観戦なんでも好きなんですけど、今は特にNBAが好きです。見たことありますか? 絶対見た方がいいですよ!! NBAの何が面白いって、プレーの華やかさよりも、プレイヤーに注目する素敵なリーグであるという点だと思っていて。その人がどう生きてきたか、なぜバスケをするのか、人生哲学をコート内外でどう表現するか……プレイヤーのストーリーが紹介されます。プレイヤーだけじゃなくて、レフェリーや、アリーナの警備員、観客に至るまで、NBAを作り上げる人、一人一人にフォーカスするんです。みんな、それぞれの人生がある。それがおもしろい。……さっきの紅白の演歌の話にもつながってますね。

読書も好きです。今読んでいるのは、オーウェルの「1984」。いわゆる「古典的名著」を、法学をきちんと消化し始めた今だからこそ、せっかくだからと思って読んでいます。「『読んだことない本なのに、人に聞かれると読んだことがあるフリをしてしまう』というパターンは、実は世界共通だ」と何かのアンケート結果で読んで、ほっとした反面「読んだふりしないで、ちゃんと読んでおこう……」と思った、という話は内緒です。

この本でも、生き方や社会について、何が「善い」かということを考えされられます。答えは簡単には出ないし、ずっと出ないかもしれない。でもだからといって、その問いから逃げたくもないなと思っています。

自分はアタマがイイと思っている人にオススメ

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前田塾5周年記念パーティー(2018年)

前田塾とは、去年の夏合宿が最初ですね。Bizjapanはもともと、立ち上げ時に前ちゃん(編集部注:前田恵一 前田塾塾長)にすごくお世話になったんです。0期生、1期生は多くのメンバーが前田塾で学んでいたそうですが、最近ちょっと団体として疎遠になっていたこともあり、久々に関係復活させようということで、先輩から「行ってみないか?」と声をかけられて。先輩と一緒に僕が行くことになりました。

合宿の中では、課題に対して、その時の好奇心を爆発させて、調べて考えて何も知らないところから積み上げていく、という体験が、久々に楽しかったです。

合宿から帰って、しばらくして、大きな枠組みの部分で変化があったことに気付きました。経済の講義もあって、お金をいろんな形から扱うんですね。「お金って何だろう」に立ち返る。いろんな要素がある中で、「お金=価値の代替・見返り」という部分が腑に落ちて、世の中の見え方が「価値」の流れとしての構造で捉えるようになりました。

そのあとトップキャリアコースにも参加しました。ちょっと背伸びでしたね(笑)。時間をちゃんと割くことができなかったかな、と思う部分はありますが、内容はすごくおもしろかった。トップキャリアコースには、何が欲しいのか、求めるものを明確にしてから参加すると、より得るものが大きいでしょう。

トップキャリアコースの講師の方々は、確かにビジネスの最先端にいて、なかなか話を聞けない人ばかり……だけど実は、学生という立場だと、自分で動いて「話を聞きたい」と言えば会っていただけることもよくあります。学生の特権ですね。多くの方のご好意に甘えさせていただいていること、謙虚に感謝しながら吸収していきたいと思っています。

前田塾は分からないことを分からないといえる場。自分なりに考えることから始まります。

合宿は、自分に見栄張っちゃう人、自信がある人、自分はアタマがいいと思っている人に、お勧めします。この表現で、「あ~、自分のことだ」って、分かる人は分かると思います(笑)。「資格を取るわけじゃないから必要ない」と逃げて済ませたいような、だけどちょっぴり大切な内容を、専門問わず学べます。

前ちゃんは……おもしろい人ですね。楽しい人です。しっかり社会人なのに、子どもです(笑)実は夏合宿のとき、大阪にすごい台風がきて帰宅できなくなったんですよ。そしたら前ちゃんが「みんなでもう一泊延泊して、徹夜で人狼やろう」って提案して、ほんとに一晩中人狼をやって。アホだけど、めちゃめちゃ楽しかったですね。

分からないことを聞けば、何の見返りも期待せずに、いろいろと情報や知識を提供してくれる社会人の方もいらっしゃいます。pay forwardしてくださるんです。前ちゃんが、そうしてくれた一番最初の人。僕がのびのびと頑張れたのも、その優しさのおかげです。

Bizjapanでは、前ちゃんを招いて前田塾無料講座を年に数回開催しています。僕も参加して毎回受けていますが、何度聞いても学びがあるし、後輩にも伝わっていくことがとても嬉しいです。

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 初対面の緊張を一瞬で和らげる優しい笑顔。話し上手で聞き上手。途中何度か脱線しながら、楽しいインタビューとなりました。

みそかのこたつで聞いた演歌が、人生の重要なモチーフになる。どんな人生にも、「宝物」と呼ぶにはあまりにも素朴な、だけどその人を築くエピソードが隠れています。

「みんな、それぞれの人生がある。それがおもしろい」

私もそう思います。

第8回 飛佐 洋平さん(トップキャリアコース1期生)

今回は、塾長前田と同郷、鹿児島県出身の飛佐洋平さんをご紹介します。

一児の父でもある飛佐さん。大学院で上京、転職を経て、着実にキャリアを重ねてきた彼が、U30ギリギリでトップキャリアコースに参加した理由は……

[Text: 西岡妙子] 

一人ではできないことをチームで達成していく

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現在は、IT企業にて、プロジェクトマネジメントに従事しています。 大学院卒業後、大手電機メーカーのSIer( システムインテグレータ)として就職し、数年前に転職しました。

SIer時代は、発注者の注文に従い、契約の中でITシステムを開発していました。立場上、途中でもっといいやり方を思いついても、仕様通りに作らなければなりません。受発注という関係上、そこを、踏み越える事は難しかったです。それをどうにかしたかったけれど、個人の努力というよりはビジネスの構造上の問題なので、「意思決定をする側に回りたい、もっと事業に寄り添ったビジネスモデルを追求したい」という思いから、転職に至りました。実際発注側に回ってみると、思っていたほど自由ではないのですが(笑) 

今の業務は比較的大規模な開発で、立ち上げからリリースまでの期間が長い。そこが面白いといえば面白いのですが、振り返りや改善のスパンが長すぎて、意識的に細かく見ていくなど工夫の必要性を感じています。 

ずっとITの分野で仕事をしてきて、今は、開発だけでなくマネジメントにかかわるようになりました。組織作りとものづくりに共通する部分、また、一人ではできないことをチームで達成していくことに、魅力を感じています。 これからはIT以外の分野にも挑戦してみたいですね。 

マネジメント業務がメインになってから、学生の頃にも読んだのカーネギーの「人を動かす」のすごさを再発見して、驚かされています(笑)。本に書かれていることを実際に試してみると、ほんとにうまくいく。古典の価値を見直しました。

まだ漠然としてはいますが、将来的には今の仕事とは別に、自分で何か事業を立ち上げてみたいなと思っています。実家が鹿児島で、農業をやっているんですが、その家業を単純に継ぐのではなくて、何か違う形で貢献できないかなと考えています。 

地方の第一次産業には、家族経営の小さな事業がたくさんあって、それってものすごい資産と知識の集合体なんですよ。でも、若い人はやりたがらない。価値があるのはわかっていても、「もったいない」と思っていても、東京はじめ都市のほうが稼げるし……。僕だって、東京で働いています。

課題の根は深いですが、日本を支える基幹産業ですし、解決するだけの価値は大きいと思っています。 

休日は家族でゆっくり。子どもと遊ぶのが楽しい。

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子どもとお散歩

 

実家は鹿児島県の大隅半島にあり、中学卒業までそこで育ちました。一番近いコンビニまで10キロ。一学年30人の学校で、保育園から中学校までずっと一緒でした。今はまさに少子高齢化のど真ん中で、学校の統廃合が多く出身中学も既に廃校になっています。

畜産農家だったので、牛のお産を見たこともあります。あと、自家用のコメは家で作っているので、今も送ってもらっていて、すごく助かっています(笑)。

自然豊かな場所ですが、僕自身はインドア派で、一人遊びや工作が好きな子供でした。中学校に入って、変われるかなと思って、生徒会に立候補しましたけど、基本的にはリーダーではなくてフォロワータイプでしたね。

中学卒業後、町を出たいという思いもあって、高専に進学し、3年間は寮生活をしました。高専は結構勉強が大変で、単位落とす人も多く、留年も珍しくありません。当時はそういった状況に驚いたんですが、高専に行こうと決めるのって、14歳とか15歳なので、入学後「やりたいことと違った」と気づいて、勉強にモチベーションが保てなくなるのも無理はないかな、と今は思いますね。

その後、専攻科に2年通って、大学院で東京に進学しました。 ちょうど2011年3月11日。引っ越しが大変だったのを覚えています……。

今は妻と息子が一人、3人家族です。妻も同じ高専出身で、卒業後エンジニアとして働いていましたが、育休から復職するときに、時短など勤務形態のジョブチェンジの希望がなかなか条件が合わなくて、前ちゃん(編集部注:前田塾塾長 前田恵一)に相談して転職しました。家族共々お世話になってます。

息子には、「好き嫌い」が言える、意思をはっきり言える人になってほしいと思っています。普段、よく歌ったり踊ったりしてるので、意思表現は今のところ大丈夫そうです(笑)。それから、相手の立場に立てる思いやりのある人になってほしいですね。

共働きなので、貴重な休日は家族でゆっくり過ごしています。 子どもと遊ぶのが楽しいです。

若い世代の優秀な人たちに出会いたくて

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2011年 ビジネスメンターシップ 初日

前田塾との最初の出会いは、院生時代に見た「ビジネスメンターシップ」のFacebook広告でした。理系ってどうしても専門分野で閉じてしまうので、ビジネスに関心がある同世代のつながりを広げたい、と思って参加しました。2011年のことです。

当時の友人とは今も仲がいいし、いつか何か一緒にやりたいと思えるような仲間に出会えたと感謝しています。そして、そのあと妻の転職で前ちゃんにお世話になって、それからトップキャリアですね。 

U30なので、僕は年齢制限ギリギリでしたが、若い世代の優秀な人たちに出会いたくて、参加申し込みをしました。ITの世界では、10歳上の人より10歳下の人のほうが怖いんですよ(笑)。コンピュータ性能の向上や勉強のハードルはどんどん下がっているので、僕らが何時間もかかっていたことを、彼らは数分、あるいは一瞬でやり遂げることもあります。年下の人たちの考え方を知りたい、みんなの思考と意識に興味がありました。 

参加したいと思ってからは、家族会議です(笑)。月に2回、休日に出かけるわけですから、妻に育児を任せることになるし、予算の面でも……(笑)。でも、妻も前田塾のことはよく知っていて前田さんを信頼しているし、転職先のCEOも講師になっていることもあり、もろもろ調整して、参加できることになりました。 

受講して、様々な分野の見聞が広がりました。例えば、政治について、恥ずかしながら成人してからも「投票は行く」という程度であまり興味を持てなかったのですが、トップキャリアで意識が変わって、自分事として考えられるようになりました。 

知識習得の場ではありますが、でもスキルや知識よりは、業界を跨いだつながりが持てることが最大のメリットではないでしょうか。10年、20年と付き合っていける、一緒に仕事をしたいと思える仲間に出会えます。 

前ちゃんは、とにかく頭がいいし、回転早すぎると思うこともあるほどですが(笑)、人に寄り添い、一緒に考えてくれる人です。ただ場を転がす、回すのではなくて、一人一人の人生観を掘り下げ、向き合ってくれます。だから信頼できるんです。 

今、前田塾で開講している「ビジネス数学」や「AI」の講座もおもしろそうだと思います。もっと手前の、データサイエンス系とか、プログラミング系の講座も、とっかかりとしてニーズがあるんじゃないでしょうか。 

それから、地方の子たちにも、前田塾に出会う機会があるといい。僕は東京に出てきたからこうやって知り合うことができたけれど、能力があっても、機会が無い若い人はたくさんいる。こんなに人生が広がることも、選択肢があることも、高専のころの僕は知らなかった。 

前ちゃん本人に会えるのが一番ですけど、前ちゃんと話をするだけでも視座が上がるので、別の形でも、地方にも届くといいですね。

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東京に暮らしながらも、育った町のことはいつもどこか胸にある。

地方から都市に出てきた方は、思わず共感されると思います。

「今、自分にできること」に、地に足つけてじっくり向き合いながら、遠い故郷のこと、広い社会全体の課題を視野に入れています。

彼にとって、解決するために今やるべきことは、チームを作ること、チームの作り方を学ぶこと。それが彼の道。どこへ繋がっていくのでしょうか。

紛糾している大学入試改革によって浮き彫りになった教育と機会の格差は、実は深刻な問題です。何が必要なのか、どんな働きかけができるのかーーー前田塾も、飛佐さんから刺激をもらいました。

第7回 濱 祐輝さん(2018夏合宿 参加/トップキャリアコース1期生)

「前回の松田君の記事読みましたよ。『大学は、今のところ僕には必要ありません』おおっ、カッケー!って思いました!」同世代の同志であり、ライバルでもある仲間の記事を、嬉しそうに話す濱祐輝さん。

2018年度の合宿に参加、その後、1年大学を休んでいたときに、トップキャリアコースに通いました。

「やりたいことが多すぎて、困っているんですよ~」とお悩みだけど嬉しそうに語る彼の瞳には、あどけなさがキラリと光ります。

[Text: 西岡妙子] 

とにかく何でもやってみよう!

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理系の学部で入学したのですが、2年の秋から1年間休学のような状態になり、IT系のベンチャー機械学習エンジニアとして仕事をしていました。この秋からは文転し、教育学部の教育実践・政策学コースに進むことにしました。学校教育だけでなく、生涯教育なども含めた広い分野における現実的な施策研究を扱う領域です。今は、教育全般の基礎知識を身につけるための講義が多いのですが、どれも楽しくて熱心に聞いてます。

教育学部に進もうと思ったのには、色々な理由があります。一番最初のきっかけは、大学1年の時に関わった地域イノベーション・プロジェクトでの経験です。

神戸から東京に出てきたばかりの時に、「とにかく何でもやってみよう!」と思い、今まで興味のなかった分野にも挑戦しました。大学1年生の夏休みに参加した高校生とのサマーキャンププログラムでは、地域の課題を解決するアイデアを高校生たちと一緒に考えて、市長にプレゼンを行いました。大学入学して半年だったけど、向こうから見れば指導者として頼られて。その経験から、「人を見る、育てる」のがとても楽しいと感じました。

教育関連では探究型の学習塾での教材開発にも関わらせていただきました。もともとものづくりが大好きで工学系を志望だったという知識と経験が役に立ち、理系出身の僕だからこそできる活動がある、と実感しました。

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濱さんがデザインした教材

そんなこともしつつ、大学2年の秋から、データサイエンスやAIのベンチャー機械学習エンジニアとして働いていてます。この収入で自活していて、復学した今もメインの活動として続けています。

経験がほぼゼロだったのですが、仕事しながら勉強し、だいたいの業務をできるようになりました。基本はプログラムを書くのが仕事ですが、プレゼン資料も作るし、ウェブサイト、ロゴデータ、社内アンケート……いろいろやってます。

所属している学生団体のBizjapanでは、バイク普及プロジェクトを担当しています。元々車が好きだったので、様々な企画を通じてバイクの魅力を伝えていきたいと思ってます。

bizjapan.org

neoriders.net

「若い時の苦労は買ってでもしろ」っていうじゃないですか

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高校卒業まで神戸で育ちましたが、東京には憧れがあったのと、親元を離れてみたかったので、大学進学で東京に来ました。神戸には「神戸ブランド」があるとはいえ、東京には東京にしかないものがたくさんあり、機会に溢れていると実感しています。

さいころから物おじしないというか、知らないおじちゃんやおばちゃんと話すもの全然平気で、おしゃべりだったそうです。兄の授業参観についていって、知らないおじさんに抱っこされていることもあったそうで(笑)。絵を描くのも大好きでした。

トミカ、虫、恐竜……男の子がハマる趣味は一通りたしなみましたね(笑)

で、最後は「車」。大学で工学系を選んだのも、車を作りたかったから。

ところが、工学系の授業をとったときにふと気づいたんですけど、これからの車って自動運転になっていくんですよね。それって、僕の作りたい車じゃなくて、単なる移動手段じゃないですか。僕は、背景にある歴史や文化、デザイン……そういうストーリーも含めて車が好きなので、これからの流れにはあまり興味が持てなかった。専攻を変えたのは、その辺りも大きいです。

高校から吹奏楽部でフルートを始めたのですが、先輩がいない状態で、足りないから、って言われて……なんとかなるかな、って(笑)。そこから手探りで、少しずつ感覚をつかんで、独学で吹けるようになりました。

最後のコンクールで県大会まで進めたことは、今でも誇りに思っています。最後のステージとなる高3の文化祭では、クラス合唱の指揮もやって、受験勉強も気になりつつ、大忙しでした(笑)。

今でも音楽が好きで、フルートサークルに入っています。発表会があるのに、練習する時間が取れなくてヤバイんですけど。ソプラノサックスも買っちゃって、これからやります(笑)。南米音楽の弦楽器、クアトロっていうのも、一応弾けます。

仕事と学校が、それぞれお互いリフレッシュになっているのと、楽器を吹くこと。それが息抜きになっています。

将来は、具体的にはあまり考えていないですね。今は手を広げすぎて忙しくて(笑)、でも、「若い時の苦労は買ってでもしろ」っていうじゃないですか。だから、きっと何かのためになるとは思っています。

東京でずっと生活するっていうイメージはなくて、神戸くらいの感じがちょうどいいんですよね。スピード感とか、気候とか……車にも乗りたいけど、東京で車を持つって結構大変だし。キャリアを積むうえでは東京が有利だと思うけど、いずれは神戸に帰るんじゃないかな。

視野はもっともっと広げられる

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2018夏合宿@大阪。台風一過の一枚。

前田塾は、Bizjapanで知って、合宿に誘われたのですが、前ちゃん(編集部注:前田恵一・前田塾塾長)から説明を聞いたときは時間がなくて、「30分の内容だけど5分で話します」って言われてすごいマシンガントークでした(笑)。内容は知らないことだらけでしたが、「意外といけそう」と思い、参加を決めました。

ビジネスの知識を得ることを期待していたのですが、結果、最高の友人をたくさん得たことの方が、僕にとっては収穫ですね。その時の合宿メンバーとは、今でも頻繁に会っています。

そのあとのトップキャリアコースには、「これだけの講師陣に他では会えない」と、魅力を感じ、参加しました。学生は僕を含めて二人だけでしたが、大学生のうちに参加するのもいいと思います。

内容はもちろん簡単ではないですけど、前田塾って、みんなでどんどん質問しあうし、教えあう。で、教える側も、教えることで、自分の中の知識があいまいな部分に気付いていく。そしてもう一度考えて、理解を深める。独特な空気感です。

合宿でもトップキャリアでも、参加するのは、若ければ若い方がいいと思います。特に大学生は、世界がどうしても大学の中で完結してしまう。インターンに行ったとしても、その会社だけ。

でも、もっともっと広げられるんです。視野を広げるのに、前田塾は手っ取り早い、最高のきっかけの場だと思います。

前ちゃんは、とにかく優しい人ですね。いつも笑顔で心が広い。また、前田塾のスタッフの皆さんも、雰囲気がとてもよくて大好きです。

前田塾の講座って、終わった後にザーッと復習してそのあと乾杯、という流れなんですけど、その時のあの雰囲気がとても好きです。あれがあるのは前ちゃんのおかげですね。

次に前田塾に参加するなら、Excelが大好きなので、知識の再定着のためにもExcel講座を受けたいと考えています。

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とってもスマートな印象。

だけど、「簡単で安全な道」と「ちょっと危険な道」という選択肢ではあえて後者を選び、汗だくで泥だらけになって爆笑して、暗くなっても帰らずに遊び続けて……トム・ソーヤのような「ザ・男子」。

「そういえば、今思い出したんですけど、Bizjapanで、Spread Sheetの講座やろうと思って、資料作ってたんです。自分で調べたことをまとめてたら、そのまま教材になるじゃん、って。完全に前ちゃんのExcel講座にインスパイアされてます(笑)あ~、そうだ、これ忘れてた、やりたかったんだよな……」

ただでさえ時間がないと嘆いていたのに、インタビュー中にやりたいことがまた一つ増えてしまったのは、「さすが」としか言いようがありません(笑)。

 人生を楽しむのがとても上手。それでいて楽しむだけではなく、結果を出して経済的に自立している。恐るべき若者です。話を聞いているだけで興味が尽きない時間でした。