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第21回 杉本 昌毅 さん(選抜コース5期生)

またまた選抜コースより、5期生(2014年)の杉本昌毅さんをご紹介します。

2012年に就職し、今や知らぬ者はいない大企業に急成長した大手外資系IT企業にお勤めながら、ライフワークとしてのビジネスもを昨年立ち上げ、順調に育成中。

お仕事はとっても充実、目下の課題は……? (Text: 西岡妙子)

 

自分は何を成してきたか? 

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大手外資系ITへ新卒で入社して8年目になります。企業向けに広告ソリューションの提案を行うことを主として、広告まわりの仕事をしてきました。

一般的には広告営業といわれる仕事だと思いますが、「ビジネス目標にどう貢献するか戦略を練る」という側面では、コンサルに近いところもあり、またマーケティング上の成果を可視化するために、広告商品を開発したり、蓄積されてきたベストプラクティスやビジネスモデルを踏まえた広告のアイデアを考案し、スケールさせる営業企画のような業務にも携わっています。

就活を始めた頃は、コンプレックスに動かされていた部分がありました。「大学で自分が何を成してきたか?」と考えたときに、興味の範囲が広く様々手を出してきたけれど、何事も成していない器用貧乏だと感じていました。

「何をやりたい」という明確なこだわりがなかったので、幅広く業界を見て、当初は就活時期が早かった外資系を受けていました。面接を続ける中で、「何をやりたいかでは決められない。実際に会って、相手の方のモチベーションや、様々な出来事に対して抱く気持ちに共感できる企業にしよう」と思い、とにかくOB訪問を続けていました。

たまたま友人が、「あるサービスを学生に広く使ってほしい」という企業の依頼を受けて、学生団体向けの説明会を企画していたんです。ところが開催日がクリスマス・イブの12月24日で、集客はボロボロ。友人にどうしてもと頼まれて、参加しました。それが今の勤務先です。

その会は、企業の方々と話す良い機会となり、何をしているかというよりも、どういう考え方を持っているのか、たくさん質問をしました。

せっかく新卒採用をしていることを知ったのでエントリーして、面接まで進んで。その面接が、45分間、面接官2名と自分。色々な企業を受けた中で、最も長時間。自分がやってきたことを一つ一つ深堀りしてくれて、楽しみながら自然体で話せたんです。

自分のことを深く知ろうとしてくれてるんだなあ、と思いました。後に振り返ったときにお会いする人全てが非常に論理的にお話をしてくださるのに、良い事も悪い事も何もかも包み隠さない誠実さを感じ、人を大切にする会社だなと感じ、結果、ご縁をいただいたので入社しました。

現在は、本業のほかに、2019年に「食」を愛する6人で、世界一おいしい会社「にくまん」を立ち上げて運営しています。

 

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にくまん合同会社

 食を通じて、食べ手が心身ともに豊かになるのはもちろん、シェフや生産者も豊かとなるように、自分たちの経験を通じて出来ることがあればという思いから、食に関わることは何でも行っています。新店舗やメニュー開発のコンサル、プロモーションや、メディアPRなど。上記のPRタイムスでは、思った以上の反響をいただいて、「いいね!」が3300以上、その期間の Facebook シェアランキングは2位になりました。

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目下の課題は子育てです。11月に子どもが生まれ、妻が産休・育休を取るのと同時に自分も育休を取らせてもらいました。

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「どういう教育をしていくか?」について、妻と最近話し合うのですが、結婚してからもお互いの人生観は勿論、生活していく上で細かいことながら実は重要なお互いの癖や習慣を知ってきたつもりだったけれど、子どもという血はつながっていながら「第三者」である存在が出来て初めて気付いた、夫婦間で考え方が異なる部分もあって、それをどうすり合わせていくか、夫婦間の深いコミュニケーションが必要だなと思っています。
どんな育て方が正解というのはないので、それが難しい。でも、僕も妻も、根底には子どもの幸せを心から願っているので、子供が何かに取り組みたいと言ったときに全力でサポート出来る環境を整えよう、というのは一致しています。
もう一つは、子どもがまだ話せないので、何を求めているのかのか分からないときがあること(笑)。コミュニケーションがこんなにも円滑に取れないのは、人生初めてです(笑)。
転勤族だったということもあり、初対面の人とのコミュニケーションは得意で、もともと他人の考えを汲み取るのは長けている方だと自認しているのですが、子どものおかげで更に考えを汲み取る力がより高まってきて、妻からその点は褒められます。(笑)。
今後のことは、中長期の目標は特に立てていません。僕の怠惰な部分ともいえるのですが(笑)、「VUCA」の時代といわれる、不確実であいまいで変化の速い現代は、環境がどんどん変わるので、5年10年というスパンで考えるよりは、この1年、半年、もっと言えば四半期でどうするかを考えています。
これは四半期ベースや月ベースで目標が動く、外資系で働いてきたことによる癖というのもあるかもしれません。
そのうえで、自分の興味度合いが高い「食」の分野で何かをなしていきたいと考えています。アニオタとかアイドルオタクとか、僕はものすごい尊敬するんです。というのも、自分自身、興味分野は広いものの、飽きっぽくて面倒くさがりなので、とにかく好きでしょうがない「何か」がある人にあこがれるんですね。何かに没頭できるって、ものすごく幸せなことだと思います。
僕にとってそれは何かを考えたとき、今はやはり「食」なんですね。「食育」など、食に関わる課題を解決していきたい。衣食住はどれも、心身の健康に大きな影響を与えますから。
それから、子育てをしていて不自由を感じることがこんなにたくさんあるとは思ってもみませんでした。もちろん、ニュース等でそういう情報に触れることはありますが、ここまでとは。授乳室が無いこと・使いづらいこと、レストランに入りづらいこと、エレベーターの少なさや段差。
そして、赤ちゃんに関わることって、実はわかっていないことがたくさんあるようですね。例えば、夕方にぐずる「夕方泣き」とか「黄昏泣き」と呼ばれるあの現象、実は理由が分かっていないそうですね。子育てについては、より工夫が出来ることがまだまだ多くあるんじゃないかなと、おぼろげながら思っています。
「自分がこれから何を成していくか?」ということについて、特にここ直近で、より真剣に考えます。子どもが生まれたこともあり、妻や子どもが求めることを叶えるために収入面で安定を求めたい一方で、実はこれまで経験の無い業界に飛び込みたい気持ちもある。
それらはトレードオフというわけではありませんが、いずれにせよ、自らが納得のいく決断を下すこと、今後もこういった決断を下す場面があると思いますが、そこで悩み苦しんだ経験が必ずや自分の血肉になると信じています。
老子の「無用の用」という言葉はよく言ったもんだと思うのですが、答えに最短距離で行きたいと思いますよね。でも、引き出しを増やし、あらゆる経験をした後で、その当時は無駄だと思ったことが、後になって生きることがある。
だから、興味持ったことや、これをやっている時はモチベーションが高まると感じたことに、これからも臆せずにどんどん手を出していきたいと思います。
今関心のある社会課題は、中国と香港の問題です。香港の市民たちは、どういうモチベーションで突き動かされているのか、自分なりに咀嚼してみたところ、根底に「認められていない」という意識があると思いました。
誰しも、侵害されない個として、存在を認められたい。中国は香港を自国の一部だと思っているが、香港人はそうは考えていないわけですよね。その鬱々とした気持ちが、デモという形で掲出したのだとみています。
社会人として組織の一部として働いていると、似た気持ちを感じることがあります。だからこそ、自分だったらどう行動するだろうか、どうしたらいいのか? 自分に問われていると思います。考えたことを行動に移すことは重要だけれど、過激であることが正解ではない。お互いを分かり合うって、やはり難しいです。
だからこそ、「心理的安全性」、自分自身が認められていると一人一人が感じ、安心することが大切なんですよね。パフォーマンスが、全然違ってきますから。

 器用貧乏なのではないかというコンプレックス。

転勤族だったので、熊本、大分、横浜、福山と小さい頃は転々とし、小学2年生から高校卒業まで広島にいました。どこへ行っても、比較的いきなり仲良くなれるタイプでした。子どもながら、いつも「もう一人の自分」がいるような感じで、「この人にはどうすればいいか」を常に考えて、人に合わせるのがうまい子でした。活発で、ずっと野球部。バスケもやりました。

中高が大学附属の一貫校で、SSH指定校だったので、大学と連携した実験に取り組みました。まず、テーマを決めるのに四苦八苦。「数字で見えて分かりやすいものにしよう」となり、結局、「希硝酸と濃硝酸の定義、それらを区分するモル濃度境目を見出す論文を出し(『二酸化窒素が発生しなくなる硝酸の濃度決定』)、化学賞を受賞しました。受験勉強とは異なり、問題と正解が対になっているものではなく、正解が分からないことへの取り組みは非常にやりがいがありました。

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大学生時代には、さまざまなことに手を出してきました。

一つはオールラウンドサークル。スポーツ好きなので野球を中心にフットサルやスノーボード等何でもやっていました。

二つ目は、経済について学ぶ有志団体。某金融系の方に協力を仰いで、様々な業界で活躍される社会人を募って勉強会を開いていました。大学でも経済を学んでいたことも含めて、社会に出るうえで必要な知識を得たいと、この勉強会を立ち上げ、企画していました。

三つめは、「和敬塾」という学生寮に住んでいたのですが、その寮生活です。1955年設立の伝統ある学生寮で、体育会系というか、人と人との関係が濃く、寮対抗の体育祭など、さまざまな行事がありました。

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和敬塾 時代

そして四つ目は、NHKの教育テレビに出演していました。高校生の質問に答えて、勉強の仕方を伝え、僕たちが提案したことを、実際に試して結果が出るか検証する教育番組です。小手先の技術ではなく、「思考力」や工夫する力を身につけることを目的としているので、とてもおもしろかったです。2年半くらい出演していました。

今の趣味は、情報をとにかく集めること。収集癖があるんです。例えば、食べ物や子どもの様子、道すがら歩いてて気になったもの、一緒にいる人が「なんでこんなもの?」と思われるようなものでも、何でも写真に撮ってスマホにコレクションしてます(笑)。SNS に上げることもあります。

仕事でも、この癖が多少なりとも生きているようで、常にアップデートされる広告や IT テクノロジーに関する知識やソリューションの収集に長けていると評価されています(笑)。

少し前まではロードバイクが好きで、軽井沢から東京まで走ったり、箱根を登ったり。「センチュリーラン」という180km走破する大会があって、そのために沖縄に行ったこともあります。

直近の本で面白かったのは、「Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」(ロルフ・ドベリ (著), 安原 実津 (翻訳) サンマーク出版 2019年)。「シンプルに考えよう」という示唆を与えてくれた本です。

仕事でもプライベートでも何かを為そうとする時に、考慮すべき要素はたくさんあって、ついつい細分化して追っかけてしまい、大局が見えなくなり、結果につながらないことってありますよね。特に第三者が関わる場面では深く考えすぎて複雑になってしまうこと、他人が持つ目標と自分が目指したい方向性が必ずしも合うわけでは無いということで、その他人に自分の考えを押し付けってしまって良いのだろうかとモヤモヤするような時に、この本を読んで自分にとっても他人にとっても物事が「シンプル」であることで、というマインドを学びました。

その他にもベストセラーと言われている本はたいてい斜め読みをしていますが、僕にずっと影響を与えているのは「考具 ―考えるための道具、持っていますか? 」(加藤 昌治 著 CCCメディアハウス 2003年)という本です。

大学1年生の時、特に自分自身が何を為していくべきか思案していた頃、また大学生活を通じて器用貧乏に陥っているのではないかとコンプレックスを持っていた頃に読みました。自分は想像力が豊かな方では無いようで、アイデアを思案していても、何だか当たり前のことしか思いつかないような気がする。そんなように考えていたので、アイデアマンへのあこがれが強くて。

でもこの本を読んで、アイデアというのは突飛なもの、特殊なものではなくて、その種は誰でも持っているもの。その一つ一つのピースを組み合わせることで新たなアイデアが生まれるのだということに気付かされ、自己肯定感につながった本です。

映画で長く心に残っているものは「スタンド・バイ・ミー」ですかね。初めて見たのは中学生の頃かな。僕にとって「映画といって真っ先に思いつく一本」です。生きていく上で人との関わりは当然切り離せないし、仲間がいることで心が豊かになるんだということ、そして仲間とともに困難を乗り越えること。そういう社会との関わりを意識させられたのがこの映画です。

自己肯定感を持つことが出来る種

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選抜コース5期生 2014年

前田さんとは、もともと会ったことないころから、何がきっかけだったかFacebookでつながっていて、前田さんの発信を見ていて、おもしろそうだなと思っていました。「共通の友達」がたくさんいたので不信感はありませんでしたね(笑)

選抜コースに参加したときにはもう社会人になっていたのですが、先ほどお話したように、大学で「これをやった」と誇らしく言えることが無いと思っていました。だから、何らか目に見えて結果のでやすい、分かりやすい力が欲しかった。そこで目に止まったのが、経済やエクセルなどのスキルを学べるという点でした。。

それに加えて人と関わるのが好きなので、「どんな人が来るかな」という楽しみもありました。

参加してからの変化として最たるものは、「知識として知ることと人に伝えることは別問題だな」ということを実感し、腹落ちしたことですね。「どう捉え、どう伝えれば、どう伝わるのか」を意識するようになりました。営業職としても、どうストーリーづけるか、印象付けていくかということを工夫する視点を持つようになりました。前田さんは、伝え方がすごく上手で、分かりやすい。勉強になりました。

それにしても、前田さんは「底抜けに明るい」ですよね。前田さんを思い浮かべると笑顔の印象しかない。それって実は稀有なことだと思います。笑顔は周りにパワーを与えるし、パフォーマンスを上げていく。チームの中で、各個人の心理的安全性が守られているとき、自然に笑顔が増えますから。その笑顔が常にある、って、すごいことです。

それから、徹底的に利他主義の人ですね。自分でそんなつもりはなくても、無意識にでも、その人にとって一番良い状態はどういうものかを考えている。そういう人です。

なので、前田塾には、特に、現状に満足していない人にオススメです。僕のように「何も為してこなかった」と思っている人もそうですが、例えば現状の人間関係に悩みがある人であれば、同じ志を持った仲間に刺激を受けるのも良し、自分に自信を持つことが出来るようなスキルを高めるという入り口もあります。

是非、自己肯定感を持つことが出来る種を育ててみてください。

 

もともとの気質か、成果を重要視する外資系の影響か、あるいはその両方か。何度も繰り返される「事を成す」というワードが、繰り返されます。

言葉は行動になり、実際に始まった「にくまん合同会社」も成長中!

家庭にもしっかり関わりたいし、もちろん本業もおもしろいし、さらに別のライフワークもある。「興味あることはなんでも関わってみる!」という本質は、学生時代から変わりません。

自分の個性に素直でいる生き方、魅力的ですね。「器用貧乏」が(それも、決してそんなことはなかったけれど)、「器用富豪」になりそう!

 

 ※編集部注

「選抜コース」は現在、ビジネスの基礎素養を学ぶ「合宿」ビジネスシーンの最先端を行く講師による「トップキャリアコース」として開催されています。

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