In Our Time | 前田塾塾生白書 ~ 仲間に出会う。時代を創る。

前田塾参加者をつなぐ 新世代型コミュニティチャンネル

第1回 守屋祐一郎さん(U30トップキャリアコース 1期生)

未来の経営人材の教養とつながりを培う場、前田塾。2013年開塾以来、延べ253回開催してきたこの塾には、実に多種多彩な方が参加しています。

そんな人材の宝庫の魅力を、ぜひ多くの人に伝えたい。そんな思いで始めたこの企画、

In Our Time 前田塾塾生白書

今回ご紹介するのは、守屋祐一郎さん。社会人二年目の彼は、「再生医療」という高校時代からの夢を軸に、現在医療ベンチャー企業でご活躍されています。「U30トップキャリアコース」一期生でもある彼の魅力に迫ります。 [Text: 西岡妙子]

チャレンジの連続!そんな仕事に燃えてます

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現在は、再生医療関連事業を扱うベンチャー企業で、マーケティングインサイドセールスをメインとして、フィールドセールス、カスタマーサクセスなど幅広く従事しています。
もともと、再生医療に関心がありました。高校生の頃、山中伸弥先生のiPS細胞が話題になったのがきっかけです。知的好奇心が満たされるのはもちろん、人を救える、みんながハッピーになる未来へとつながっていることに強く惹かれ、高校時代は受験科目以上に自然科学の勉強をしてました(笑)
医学の道も考えましたが、事業を通して医療に関わってくのもいいなと思い、経済学部に進学し、卒業しました。
再生医療業界は、2014年に法規制が変わり、民間の参入が緩やかになりました。日々刻々と状況が変化する場です。技術の進化はもちろん、法律面、そしてビジネス面でも、あらゆる要素が非常に動的に進化している。前例のないイベント多発で、常にアップデートとチャレンジが必要で、刺激的で、…「燃える」って感じです!(笑)

嘘がつけないんです。

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そもそも、大学時代に、アルバイトやインターンなどをやって、結構熱心に打ち込んだんですが、コミットしていくうちに、小さな違和感が無視できなくなってしまって、続けられなくなる。
大手には行かないで、ベンチャー志向で就活してたけど、迷って、結局、外資系大手IT企業に勤めました。

でも、しっかり組織が出来上がっていて、なんでも整っている環境にいざ入ってみると徐々に違和感が強くなっていきました。結局合わなくて、何も価値を出せていないのに申し訳ないとも思いましたが、思い切って転職しました。
僕は、すぐに顔に出ちゃうタイプで、嘘がつけないんです。合わないのも顔に出る。

だから今は、自分が広めるプロダクトに心から信頼を寄せられて、本当に僕自身に合ってるし、恵まれていると思います。
キャリアにっていた自分に足りなかったものは、「覚悟」だけだったと、今は思っています。まず「やる」と決める、即「やる」、そして「やりきる」。その気持ちだけでよかったんです。

誰でもその人なりに無理なく楽しめるのがいい。

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 中学入学時に、近所の子が入ったからという理由でテニスを始めて、大学卒業まで11年ハマって、スクールでコーチもやってました。
テニスは、心技体揃った総合格闘技なんですよ。でも、バチバチに闘った後、最後は握手、っていうマナーの良さが好きですね。

また、初心者から上級者までどのレベルでも、どの年齢でも楽しめる。教えてて、そこがいいなと思いました。プレイに個性も出るし、レベルや目的に応じて、無理なく楽しめるんですよ。
大学四年の夏までは、団体戦に燃えてました。今思えば、「勝ちたい」というシンプルな目的に向けて、団結していた良いチームでした
今、仕事では、全く異なるチーム像と向き合っています。それぞれのモチベーションや背景、得意な事などが全く異なる中でどうチームビルディングしていくか、自分自身が他者の多様性をどう許容していくかが課題です。できてない自分を、若いなー、未熟だなー、と思っちゃいます(笑)

前田塾には、もっと早く出会いたかった!

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前田塾のことは、高校の同級生から聞いていて、一年の時から知ってたんですが、ずっと時間がなくて、先延ばしにしてて、でも卒業前にファイナンスくらいは……と思って、参加しました。
前田さんの話はおもしろくて、深い知識を楽しそうに話すので、こちらも楽しく聞ける。

トップキャリアコースには、社会人一年目の冬から、一期生として参加しました。参加者も講師も人柄が良く、楽しそうに仕事をしていらっしゃる方が多い事が印象的でした。距離感に加え年代も近いので、自分の5年後、10年後を重ね合わせ易く、毎回得る学びを自分ごとに落とし込みやすかった印象です。ここでなければ得られない広い視野・知識を吸収しつつ、自分の言葉で解釈して反芻する事で、本業へのさらなるモチベーション、中期的なキャリアの指針など多くを獲得できたと感じています。
講師の方々と前田さんとの信頼関係が、すごくいい感じです。講座も、ほどよくガチでほどよくカジュアル。
前田塾では、勉強したり遊んだり、高め合える仲間、戦友に出会えたのも、大きな収穫です。
与えられた問題を解くだけでは物足りない、課題は自分で見つけたい、そんな欲張りな方におすすめしたい。

もっと早く、高校時代とかに前田塾に出会いたかったですね。だから、前田さんには、若い子向けのアプローチを、是非お願いしたいです。

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みんなのハッピーを最大化

今の社会課題については、医療費の増加に関心があります。

ある程度の適切な自費診療を認めていくなど、医療のあり方そのものの変容も求められてくると思います。

一方で、ヘルスケア、医療に関するリテラシー向上がとても大切だと考えています。

例えば、潜在患者が2530万人*1と言われている「ヒザの痛み」においても、太ももの筋肉強化が予防につながると言われている事、健康に良いと科学的に明らかにされている食事((1)魚、(2)野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、(3)茶色い炭水化物、(4)オリーブオイル、(5)ナッツ類の5つ)があること*2など、知るだけで今日から自身や家族の行動に繋げる事ができるであろう情報は少なくないです。

予防が医療費の縮小に直結するか」で言うと議論の余地が大いにあると思いますが、「納得感のある健康な生活・ライフスタイルを送るために、正しい知識に基づく正しい努力をする人が増えること」に大きな価値があると思います。

それから、事業開発・経営を通して「いけてる」事業を支えて、産業の発展に寄与していきたい、というのが今の中期的な指針です。まずは再生医療産業から頑張りますが、ヘルスリテラシー向上の事業を立ち上げた知人がいて、他にも好きな事業が、いくつかあって。

みんなのハッピーが最大化するような事業には、絶対に伸びてほしいし、少しでも多くの人にその恩恵を享受してほしい

応援していきたいし、自分自身、役に立てる人間になりたいです。


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「みんながハッピーになれると思った」という高校時代の気持ちから始まり、「ハッピーを最大化したい」という今の展望で終わったこのインタビュー。

「好きな事業があるんですよ、例えばですね…」と、いくつかの企業についてスマホ片手に生き生きと語る彼の話につい引き込まれましたが、「これって、好きなアイドルとか野球チームの推しを語るときのノリでは…」とはたと気付いて、なんだか笑ってしまいました。仕事に「燃」えるではなく、本当は「萌」えるが近いのでは……という印象でした(笑)(ちなみに、守屋さんの"推し事業"はこちら→Sylby。)

「これだ!」という仕事に出会えた今に守屋さんを連れてきたのは、「嘘がつけない」という彼の個性。これからどこに彼を導いていくのでしょうか。

*1:吉村典子:ロコモティブシンドロームメタボリックシンドローム 大規模コホート研究ROADプロジェクトより Medical Asahi 2009 Marchより

*2:津川友介(2018)「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」東洋経済新報社