In Our Time | 前田塾塾生白書 ~ 仲間に出会う。時代を創る。

前田塾参加者をつなぐ 新世代型コミュニティチャンネル

第20回 大久保 貴史 さん(選抜コース1期生)

今回は、一期生の大久保貴史さんをご紹介します。

なんと、前田塾誕生のきっかけになった一言を放った方だそうで……。第20回にあたり、誕生秘話を語っていただきました。

企業を退職して独立、現在はフリーランス。柔軟なキャリアの組み立て方にもご注目ください!

自分の夢をかなえることができるのは自分自身だけ

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新卒でIT企業のゲーム部門に6年間勤務した後、独立し、現在はフリーランスでゲーム会社でプロジェクトマネージャーとしてゲーム開発に携わっています。

また、その仕事とは別に祐天寺でコミュニティープラットフォームSai. というコミュニティスペースを運営しています。それはまだ事業と呼べるほどではなく、勢いとノリで始めた部分もあるのですが(笑)、今は、「場として継続できれば」という気持ちで、実験的にやっています。

きっかけは、自分が「あったらいいな」と思っている場が、世の中になかったから。

ひとつは「何かやってみたいと思ったときに、気軽に実践できる場」。

例えば、料理が得意な人が料理をふるまいたいと思ったときに、家では狭いし、キッチン付きのスペースは会場費が高いし、そして集客も大変です。そういったハード面のハードルを下げることで、気軽に誰もがそれぞれの「おもしろいこと」をシェアできる場があるといいなと思っていました。

もう一つは「人と仲良くなれる場」。

最近はSNSの発達もあり、人と出会うこと自体はそれほど難しくなくなってきたけれど、その付き合いを深めることは、SNSではできません。お酒やごはんもいいけれど、それよりも、共通体験をすることで、自分を知ってもらい他者を知り、自然と仲良くなれると考えています。僕はボードゲームが趣味なので、ボードゲームを一緒にやるとか……初対面の人同士でも、いきなり飲みに行くよりも、何かやることがある方が、すぐに仲良くなれるんですよ。コンテンツがハブになってくれるイメージですね。共通コンテンツが持つ力はとても大きいなと感じています。

また、僕自身は自分の活動としてこの場を利用して定期的にボードゲーム会やゲームを使ったワークショップなどを開いています。やはり、一回だけの単発よりも、継続性がある方が実践する人にも参加する人にもメリットが大きい。そして、その「やってみたい」を誰も気軽に実践できる場として、Sai. をはじめました。

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ちなみにボードゲームはもちろんですがデジタルのゲームも好きです。特にゲーム制作の仕事は、人がワクワクする瞬間を生みだす仕組みを作る部分がとても面白いと感じています。あとは、ゴールまで挫折させずに、ユーザーに主体的に取り組んでもらう仕掛けづくりとか。

ゲームって、ほとんどの人が説明書を読まずにいきなり始めますよね。これってスゴイことだなと。徐々に徐々に、本人が楽しみながらのめりこんで、夢中になっていく。そういった仕組みが戦略的に練られているんです。この仕組み作りをしている時は、本当にワクワクします。やってて飽きない仕事ですね。

もともと、大好きなボードゲームに関わって、将来この方向で仕事をしていきたいという気持ちから、まずはデジタルで経験を積もうと思って前職に就職したんです。アナログのボードゲームは、当時は特に日本では市場がなかったので、いきなりはちょっと難しいと考えました。デジタルもアナログも、「どうやって目の前の人を楽しませるか」という視点は変わりませんから、まずはそこを身につけようと思いました。

ところが、前職の中で働きすぎてしまった時期があり、自分の働き方を見直す機会がありました。その時に「このままの状況で働きつづけても、自分の夢には近づくことは難しいな。自分の夢をかなえることができるのは自分自身だけだ」ということを改めて意識するようになりました。29歳の時です。そしてこのまま今の仕事を続けても「夢を先送りにしているな」という感じがどうしてもあり、次のステップ、つまり退職して独立することにしました。

サラリーマン時代もやりがいがなかったわけではないのですが、今はどんな仕事も自分で決め、自分でやる。興味のあることに関われるし、裁量も大きいのでやりがいは本当に大きいです。有休や育休、保険などいろんな制度を思うと、会社員いいなあと思うこともありますし、「どっちがいいか?」と言われると難しいのですが、でも僕はこれでよかったと思っています。

目下の課題は、複数の事業を回すので目の前が手一杯なこと。一つ一つの質を高めていきたいし、もっとアウトプットしたいと日々思っています。2020年の目標は、継続させること、そして1個1個積み上げること。アウトプットを繰り返しやっていくと決意しています。

社会問題で気になることはと聞かれれば、日本で働く人々が幸せに働けているかな、ということ。きつすぎないかな、辛くないかな、と、周りの友人たちを見ていても気になります。もちろん一方で仕事がなくて困っている人もたくさんいると思いますが。

経済的に豊かといわれているのに、幸福感が低いのは悲しいですよね。どうやったら幸せになれるかな、ってよく考えています。一つの解決策として、人の幸せな気持ちって連鎖するので、運営するコミュニティを通じてその輪を広げていけたらと思っています。

自分自身もですが、みんなもっと自由に生きられたらいいのになと。多様性があり、再チャレンジが何度でも応援され、一人一人が人生を楽しみきれる、そんな社会になればいいですね。

前田さん見てると、「この人は人生を謳歌してるな~」って思います(笑)

あの時の夢中になった気持ちが忘れられない

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「コードネーム」

親が転勤族で、小学校時代は三重県で過ごしました。その後、中・高は北海道旭川市。どちらも自然豊かな土地でした。

僕はとてもおしゃべりで、明るくて、空気の読めない奴でした(笑)。今もそうですが(笑)。他人のパーソナルスペースにズカズカ入って行っちゃう。でも、周りが優しかったのかな、比較的許してもらえてました(笑)。ずっとしゃべって、ひたすら遊んでましたね。

子どもの頃は、親戚のお兄さんがボードゲームで相手をしてくれたんです。そのゲーム体験がすごく楽しかった。何種類もゲームがあって、ドンジャラとかダイヤモンドゲームとか色々遊んでいました。あの時の夢中になった気持ちが忘れられなくて、今の仕事につながっています。時間がある夜やお正月に家族みんなでやったゲームも楽しかったなあ。

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カタン

もちろんデジタルゲームも好きでやっていましたが、思い返すと、アナログゲームはずっと途切れずにやってるんですよね。

特に「パンデミック」というゲームが好きです。どうしても大会に出たくて、前田塾の友人を誘ってパートナーになってもらい、3年トライして、イタリアの世界大会まで行きました。世界大会では決勝ステージには進んだものの、優勝はできなかったので、練習してリベンジしたいです。

個人的には「パンデミック」は、運のよさよりも、練習量によって強くなれるものだと考えています。その瞬間瞬間の合理的判断、それをどこまで突き詰めるか、リスクとリターンをどう考え、どう取るか……考える要素が多くて、飽きないゲームです。

また、最近読んでいる本は、「OKR(オーケーアール)」や「1on1」などのマネジメント関連の書籍です。あと、ゲーム的手法で課題解決していく「ゲーミフィケーション」関連の本もよく読みます。

映画では友人の紹介で知った「わたしは光をにぎっている」というドキュメンタリー映画を見ましたが、再開発で失われていく街の話ですがすごく良かったです。

 

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 他に最近の趣味は、「友達の趣味にくっついていく」こと。僕自身はめちゃくちゃ甘いものが好きという訳じゃないけど、ケーキが大好きな友達とケーキ食べに行ったり、ビリヤード好きな友達のビリヤードの練習について行ったり。予算を決めてコミットしていました(笑)。そうやって、自分の「好き」だけでは広がらない世界を、友達にくっついて広げています。

僕は、必ずしも「お金になるもの=価値のあるもの」ではない、と考えています。人とのつながりや、じんわりした感動など、見えない価値、というものがある。ビジネスを意識して即マネタイズ、現金化することに重きを置かなくても、焦らなくてもいいと思っています。


本当にいい仲間と出会えたな。

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野外でジェンガ@前田塾旅行にて。

前田さんとの出会いは、2013年秋ごろ、友達の誕生会でした。面白いおじさんがいるなあ、と思って(笑)。僕は社会人1年目で、前田さんと数名で話してたら止まらなくなって、そのままプロントに流れたんです。

で、「前田さんって何やってんの」っていう話になって、「人材紹介とか、Excel教えたりとか、いろいろやってる」と、Excelでこういうことできるよ、と技を見せてくれたんです。

それで、「すごい!僕も覚えたい!」と言ったら、「へ~、こういうのって若手社会人にニーズあるんだね。勉強会開こうかな……」と。前田さん自身は、このニーズにこの時気付いたようでした。

僕は当時、ベンチャー企業に勤めていて経営層との絡みも多く、事業計画や管理会計財務会計の知識が現場で求められていました。また作業量も多かったので、可処分時間を思考に使うためにも、時短は切実なニーズでした。その悩みを率直に伝えたら、他にも何人か食いついて。

1週間後、個人的な勉強会の案内かと思ったら「前田塾開講のお知らせ」が(笑)。この行動力、尋常じゃないスピード感。「ほんとすごいな」と思って、即参加を決めました。これが前田塾誕生秘話です(笑)。塾になるとは思っていなかったけれど。

1期は公募ではなく、知り合いを集めて開いたようで、集まった受講生が「選抜コース」の1期生となりました。10数名、前田さんの自宅で。資料が30分前にできたとかで、誤字脱字もあったし、分かりにくいところはツッコミを入れながら。そして飲み会、というスタイル(笑)。

それが5年続いているというのがすごいですよね。やめる理由はいくらでもあったと思います。でも、磨き続け、継続し続けたところに、前田さんのパワーを感じます。

前田塾ではスキルや知識、ノウハウだけじゃなく、仲間を得たのが本当に大きいと感じています。同じ年代で、課題意識が合って、面白い人が集まっていました。本当にいい仲間と出会えたな。同世代の仲間とつながることの大切さを実感しました。

「信じた道を継続してやっていけるか」「ゴールに向かって動き続けられるか」と自信が揺らぐときもありますが、前田さんが実際、目の前で実践している。その姿を見ると、僕もがんばらないとな、と思います。

大学だと出会いがない人や、熱い思いがあって共感し高めあっていける仲間を必要としている人には、前田塾がとても合っていると思います。一番の魅力はコミュニティ。一生もの、素敵な仲間ができるはず。

最後に、これはまだ野望なのですが、僕ら1期生のような卒業生がただ一方的に受け取るただけでなく、返す側として講師を頼まれるようになったら面白いなと思います。受講生がとにかくユニークな人が多いので、受講生のままでおわるのはもったいない。僕もいつか依頼が来るように成長したいし、僕の持っているものを下の世代に還元し、提供していけたら嬉しいですね!

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 ※編集部注

「選抜コース」は現在、ビジネスの基礎素養を学ぶ「合宿」ビジネスシーンの最先端を行く講師による「トップキャリアコース」として開催されています。

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アナログのボードゲームを広める、という「まだ世の中にない仕事」に取り組む大久保さん。

「夢をかなえられるのは自分自身しかいない」それは確かにそうなのですが、今の世の中では、多くの人は「だから夢は諦める」という道を選んでいるように思います。

人間にとって、「仕事」とは、「遊ぶ」とは、いったい何だろう。そこに違いはあるのだろうか? と考えされられます。

人と集うこと、そしてコミュニケーションが不可欠なボードゲームは、他者との楽しい体験を生み出します。大久保さんと遊びたい、話してみたい方は、ぜひコミュニティースペースSai.へ。ユニークなイベントが開かれています。

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「スパイフォール」

インタビュー終了後の帰り道。世間話をしながら歩いていて、「結婚したら、僕、子どもは3人欲しいんですよね。だって、3人いれば、子どもだけでもボードゲーム楽しめるし、僕は姉しかいなかったから……って、こんなことで子どもの数決めたら怒られますね」。あらゆることがボードゲーム基準なところ、徹底してていいなあ~と笑ってしまいました。

第19回 後藤 大輝 さん(選抜コース22期生)

今回も、数年前の受講生からご紹介。昨年約一年半の米国留学を終えて帰国、今は大学院卒業そして就職に向けて準備中。

人生を目的に向かって意識的に積み上げてきたタイプかと思いきや、お目覚めは案外ゆっくりだったようで…[Text 西岡妙子]

 始めるのに遅いということはない

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 現在、大学院2年生。今年9月に卒業し、10月にエンジニアとして就職予定です。

工学部で土木を専攻していましたが、その中で、自分の関心はどんどんビジネス、経営学の方に向かっていました。というのも、何かものを作るときには、技術経営や戦略の視点も欠かせない。中でも、ビジネスモデルに興味が湧いてきました。

それで、学部3年の終わりに、友人とビジコンに出たんです。いくつか出場した中のひとつで優勝し、賞金をもらって、そのビジネスアイデアを実現する機会があったんですけど、結局起業はしなかったんですね。自信がなかったんです。今思えば、極端に。

ビジネスのプランを「考えること」と「やること」っていうのは、全く違う種類のスキルなんだと痛感しました。

でもこの経験は、将来を考えるきっかけになりました。というのも、それまで僕は、全く深く考えずに、そこまで来ていたんです。「なりたい自分像」も考えたことがなかった。「今の自分」と理想との差が大きすぎて、とにかく不安で、答えが出なかった。答えが出ないから、考えなかった。

院に進学するのか、起業するのか、就職するのか……何がしたいのか、できるのか。考えてみたところで、これまでの生活とあまりにも乖離していて、現実味がなく、違和感があったんです。それで、武者修行に参加することにしました。

そこで前ちゃんに出会いました。前ちゃんは「院なんて行ったってしょうがない」という立場でしたが(笑)、結局僕は留学するために院に進学することにしました。

武者修行から帰ってきても自信の無さは解消できなかったのですが、大学院に行って留学しよう、と決めて、大学4年は旅武者インターンの全国統括と、留学準備、院への進学準備と忙しく過ごしました(もちろん卒業論文も(笑)
)。

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そして、IBPプログラムと、文科省の「トビタテ!留学JAPAN」という2本の奨学金を得て、シアトルに9か月、そのあとニューヨークに半年留学しました。

シアトルではグローバル・ビジネスを専攻。留学してすぐ感じたのは、「自分の無価値さ」でした。

日本では、例えば旅武者インターンで100人をまとめるリーダーをやり、コーチングや研修の立案や運営をしたりしていましたが、アメリカのマーケットでは何もできないことを思い知ります。コーチングやワークショップ、マーケティングアメリカでやろうって、それは英語喋れなかったら意味ないんですよね(笑)。 日本人を雇う理由ってないじゃないですか。

まずは、言葉の壁を乗り越えなければいけない。英語にはもともと苦手意識があったのですが、日本語を徹底的に排除し、日本人にも会わないようにして、今では「帰国子女?」と言われるレベルになりました。

それから、何か人とは差別化されたスキル、知識が必要だ、と考え、ブロックチェーンについて、大学の授業が終わった放課後に独学で勉強しました。

その留学プログラムには就労ビザの発行も含まれていて、現地で仕事ができる大きなチャンスでした。ただ、そのインターン先は、自分で探さないといけない。それで、ありとあらゆるツテをたどって、ニューヨークのブロックチェーン関連企業でインターンとして就職できたんです。就職面接では、その会社のマーケティングプランをパワポで作って持って行き、プレゼンをしました。そして仮想通貨取引所のマーケッターとして働く機会を得ました。

この経験から、「始めるのに遅いということはない」と実感しました。そして、「やりたいことに素直になる」ことがとても大事。そして、「地に足付けて、自分に力を付けていかないと、価値はついてこない」ということを学びました。

「自分は何ができるのか」と「それが必要とされている価値なのか」という問いの大切さを実感したので、日本に帰ってから未経験だった「エンジニア」としてインターンをさせてもらっています。

また、今友人とサービス開発していて、2月にベータ版をリリース予定。コンテンツは、ブロックチェーン関係です。

今の自分の課題は、「最後までやりきる」こと。成功とか失敗とか関係なく、やりきることが大切だと感じています。途中で辞めたら、全部無駄になっちゃうんですよね。自分がどう貢献したのか、成長したのか、何も分からない。そして結局「何してきたんだっけ?」

なってしまう。

だから、プロジェクトにかかわる機会はたくさんありますが、何でもかんでも引き受けていくのではなく、「やりきれるもの」を選んでいくようにしています。

そして、引き受けた仕事の成功確率を上げていきたい。いろいろやれば、当たる確率は上がっては行きますが、自分で意図して上げていくことを意識しています。そうしないと結局、自分の価値が高まっていかないんです。

アメリカではすぐに「何ができる?」「何が得意?」「何をやりたい?」と聞かれたし、即答できなければいけなかった。

僕は今、自分のエンジニアスキルが不足していると思っているので、仕事を通じて経験を積んでいます。ビジネスのリーダーはエンジニアの知識は必要ないといわれることもありますが、コードなど技術面がある程度分かっていれば、いずれリーダーになったときにエンジニアとコミュニケーションができるし、アイデアも湧いてくる。必要ないと言われているけれど、分かってる方が絶対強いですよね。

帰国して改めて感じたことは、日本の社会は、国籍や民族、性別、宗教など、違うものに対しての文化理解がまだまだだなということです。自分と違うもの、多数派でないものを排除するような空気がありますよね。

また、日本人の宗教観について、生活習慣としての儀礼はありながらも、大多数の人が無宗教ですよね。アメリカでキリスト教コミュニティーに関わって実感したのですが、宗教は、幸せに生きるための哲学、教育が体系化されたもの、という側面があると思うんです。宗教的なものが日常から排除されているせいで、生きるということ、心のこと、哲学的思想に触れる機会が少ない社会なのかなと思います。

 小さい頃は遊ぶのが大好きで、木登りしたり、秘密基地を作ったり……

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小さい頃は、科学館や未来技術館に行くのが大好きで、ノーベル賞を取る!と言っていたそうです。ノーベル賞が何なのか、分かってもいない年の頃の話ですが(笑)。

サッカー、バスケ、なんでもやってました。遊ぶのが大好きで、木登りしたり、秘密基地を作ったり。今はもうだいぶ住宅開発されてしまいましたが、僕が子どもの頃は、まだ畑がたくさんあって。5時まで木に登って遊んで、それから中学受験の塾に行って……勉強も好きでした。

中高時代は、アイドルオタクをやっていました。AKBから、名前を言っても分からないような地下アイドルまで(笑)。親からもらう小遣いだけではオタ活には足りないので、ペンライトを改造してオタ活資金を生んでいました(笑)。何十万と儲けましたね。受験期に入り、足を洗いました(笑)。

今の趣味は、料理です。大学から家が近いので、今日のお昼もネギ塩豚カルビ丼を作って食べてきました(笑)。今婚約中のパートナーがとても料理上手なので、いろいろ教えてもらっています。

パートナーとは、友人の鍋パーティーで知り合いました。これから家庭を築いていくのが楽しみです。でも育児って、自分の時間が無くなるし、「思い通りにならなくてもしょうがない」と諦めるだけの、心のゆとりが必要ですよね。……今の自分には、正直ハードル高いな、と思うところもあります(笑)。

でも、自分なりに考えている子育てメソッドがあって、それを試してみたい気持ちもあって。小さいころ、特に3歳までに、何かに熱中する、興味を持つ、「なぜ?」を考える素地を作る、というものなんですけど。小さいころにその素地ができれば、後はどうにかなるんじゃないかなと思っていて。だから、何でも買い与えるのではなく、「うちは貧乏だ」といって育てようと思ってるんですよ。何もなければ、作るしかないから、考えるようになるんじゃないかな。

甥っ子がちょうどそのくらいなので、彼を見ながら勉強しています(笑)。

企業を自分なりに見るのが楽しめるようになった

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 前田塾のことは、武者修行で知りました。前田塾というコミュニティと、得たい知識を扱っていたので、流れで迷いなく参加しました。選抜コースの22期生になります。

講義だけでなく、同じ期の友人と「企業分析勉強会」なるものを作って、毎週どこかの企業の財務諸表をケーススタディするということをやっていました。そこから企業を自分なりに見るのが楽しめるようになりました。

そのころ得た知識は、そのあとになって、いろいろな場面で登場してきました。自分の研究の過程や、アメリカ留学中の会計の授業、そして社会人と話をするときなどに、前田塾で学んだことが出てきます。ニューヨークでは、Fintechの勉強会で、金融機関にお勤めの方々に講義をしたこともあります。いろんな局面で物事の裏に走っているビジネスロジックに付いていける基礎が得られました。

前ちゃんは、推進力がめっちゃある人だなと思います。次々と新しいことをやる、そのスピードが速い。

あと、ちゃんとしているときと、してないときの差がすごい(笑)。バツイチ感、ありますよね(笑)。常人が付いていけるスピードじゃないですから。

「今は何の知識もないけれど社会人とちゃんと議論できる力を付けたい」と思っている人は、前田塾で学べば、期待通りのものが得られると思いますよ。学生感覚のまま、仲良く過ごせればいいという人には不要でしょうけど、社会人のネットワークからいろいろ吸収してやろうと思っているのなら、前田塾がオススメです。

 

※編集部注

「選抜コース」は現在、ビジネスの基礎素養を学ぶ「合宿」、ビジネスシーンの最先端を行く講師による「トップキャリアコース」として開催されています。

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 このインタビューで、さまざまな二十代の若者たちに会いました。

次々と世間から与えられる課題を、頭を悩ますこともなく難なくこなしてしまうほど「優秀」であるが故に、「何も考えて来なかった…」とある日ふと立ち止まることが、宿命的にあるようですね。

でも後藤さんは、そこから組み立て直し、「始めるのに遅いということはない」というシンプルで力強い結論にたどり着きました。励まされた読者も多いのではないでしょうか。

いつまでもくよくよせずに、今からできる次の手を考える。子どものような素直さの源泉は、あの頃の木登りや秘密基地から繋がっています。

第18回 石川 駿 さん(選抜コース11期生)

前田塾設立以来2017年まで続いた「選抜コース」修了生の石川駿さんをご紹介します。

大学時代の留学をきっかけに、ブロックチェーンゲーム制作企業に就職、社会人一年目にもかかわらずプロデューサーとして、世界最先端を邁進中!

発信元は、白いパーカーの、この若者です。[Text 西岡妙子]

世界市場で見ても先頭の領域で走っている

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現在、社会人1年目で、ブロックチェーンゲームの開発・運営をしています。

大学4年生だった2018年8月に、エンジニアとしてインターンで今の会社に参加して、そのまま就職。2019年4月からゲームプロデューサーとして「My Crypto Heroes(通称マイクリ)」 に関わっていましたが、チームを引継ぎ、10月から新規プロジェクトの立ち上げを担当しています。

ブロックチェーンゲームは、シンプルにいうとゲームのキャラクターやアイテムがプレイヤーの資産となりトレードしたり、プレゼントしたり、他のゲームで使ったりと自由に扱えるオンラインゲームです。黎明期の市場で、弊社が運営するマイクリは日本だけでなく、世界で1番DAUが多いゲームです(イーサリアム上)。僕が今プロデュースしているのは、「ブレイブ・フロンティア」のブロックチェーンゲーム版。ブレフロは、シリーズ合計全世界3800万DLされているモンスト、パズドラ、ツムツムと並ぶ人気のモバイルゲームです。

例えば、ドラクエの「はがねのつるぎ」はやろうと思えば誰でも手に入れられます。もしそのアイテムが100個と限定されたら、ユーザのうち誰かが所有することになり、所有できない人もいる。そうすると、アイテム独自の価値が自然に発生します。有限のものを所有することで、キャラクターやアイテムが資産つまりアセットとなり、それをやり取りすることも楽しむゲームが「ブロックチェーンゲーム」です。

シンガポールに留学した時に、ブロックチェーン開発について学んでいました。帰国して、実際に社会に使われるユースケースを作りたいと考えました。当時2つの領域でユースケースが生まれるだろうと言われていました。1つは「ブロックチェーン×金融」。でもこれは、規模が大きすぎて、時間がかかるだろう、と考えました。

そしてもう一つがこの「ブロックチェーン × ゲーム」でした。ゲームはエンタメとしてゼロから価値を作りやすく、何よりリリースサイクルが速い。また、たいていのスタートアップは、米中の後追いにならざるを得ないのが現状で、国内でトップになれても世界規模ではなかなか難しい。このジャンルなら、「世界初」や「世界一」など世界規模の、それも前例のない領域に関われる可能性があると考えました。「世界市場で見ても先頭の領域で走っている」という体験に、大きな魅力を感じています。

今勤めている会社の経営陣はゲーム会社出身の方が中心で、ゲームの歴史を見てきた世代です。ネットやスマホ、新しいテクノロジーの出現によるゲーム業界への影響の変遷を体感してきた方々で、常に次のパラダイムを考えています。実は僕自身は、ゲームにはさほど興味がなく、ゲーマーではないんですけど(笑)、ゲーム産業は、とてもおもしろくて、興味が尽きないです。

僕が関わっているプロジェクトに、ファンがついて、コミュニティが生まれ、自然に広がっていくような……そのための「熱狂」や「ストーリー」を生み出せる人になりたいと思っています。

そして、もっとビジョンを広げていきたい。今は、「成長する領域で、好きな人たちと働いていきたい」というのが自分の中で大きな価値観になっていて、「世界をどうしたい」というところまで広げ切れていないんです。ここで止まってしまっているところが、自分の今の課題。一歩先のビジョンのために、何か違うことをして……旅もいいでしょうね……その先が見えるようになりたいです。

 僕の特技は、笑うこと

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小学生のころ。お前に食わせるタンメンはねぇ!

子どものころから、元気でやんちゃでうるさい、ガキ大将でしたね。勉強はできたので、小学校の授業で与えられた課題を超高速で解いて、先生に「外で遊んでいい」と言わせるのが好きでした(笑)。挑戦的ですよね。

でも、中学受験で失敗してしまい、行きたいところには合格しなかったんです。それで、一応合格した中高一貫校には進学したものの、「高校受験で、リベンジするぞ」と思っていたので、すごく勉強しました。

中学時代の部活は、小さいころからやりたかった野球部。守備はショートです。練習がハードで、週7日の部活ですが、充実していました。そして、塾。中学時代の思い出は、野球と勉強、それだけです(笑)。中3の時は、今振り返っても、一番勉強した時期です(笑)。

高校では、第一志望の学校に入ることができました。中学受験時代には雲の上の存在だった学校に合格できてうれしかったのですが、内部の優秀な人たちに圧倒されてしまって……。

入学してすぐの試験で、何の気なしに、名簿順で後ろの同級生と成績を比べてみたら、全くかなわなくて、すごくショックを受けました。そいつは結局、オックスフォードに進学したんですよ。だから今思えば、比べる相手が間違ってたし、そこまで落ち込まなくてもよかったんですけどね(笑)。でも、「勉強ができる」という自信を完全に喪失してしまい、どん底で迷走しました。それが高1。

入学後にサッカー部に入っていたんですが、それもいったん辞めてしまっていたのを、友達に声かけてもらって復帰して、迎え入れてもらったことで、居場所ができたんです。そこからだんだん吹っ切れて、ネタキャラ、バカキャラとして素でいられるようになりました。

文化祭などのイベントが好きで、企画屋としてイベントばかりやっていました。

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高校文化祭

フットサルやサッカーは今でも好きだしやりたいんですけど、なかなか機会がないですね。

趣味としては、日向坂が好きですね~。テレビで見て、たまにライブに行く程度ですが、見てると笑顔になれます(笑)。

それから、ポーカーにハマっていて、友達とやってます。ビジネスをエンタメ化した要素がありますよね。経営に必要な要素が詰まっている。自分が持っているものを把握して、他人の持っているものを予想し、場の流れを読んで……いろんな情報から即座に打つ手を決める、迅速で正確な判断力が求められます。おもしろいだけではなくて、学び多い遊びですよね。

昔からビジネスにはすごく関心があり、高校生のころに読んだカーネギーの「人を動かす」や「金持ち父さん」はすごく勉強になった本です。今は仕事がらみの「ブレイブフロンティア」の既存キャラを覚えるための図鑑を読み込んでいますが(笑)。

最近の映画では「The Greatest Showman」がおもしろかった。スタートアップのクレイジーな感じがいいですよね。新しい価値観をオーディエンスに刺さるように、いろんな課題や衝突を解決していくストーリーや、名声を求めすぎるとこうなる、という教訓など、美しい映像と音楽を楽しみつつ、すごく学べる部分もあって、感動した作品です。

僕の特技は、笑うことかな。すぐ笑っちゃう。そこがいいって友達には言われています。

将来は、「仲の良い家族を作りたい」という理想があって、育児もたくさん関わりたい。そのためには、仕事のフレキシブルさと、時間とお金両方の余裕が必要だと思うんです。「成長する領域で働きたい」という思いは、そこをクリアできるから、というのも大きいです。 

熱量の高い仲間と一緒にいるのが大事

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選抜コース11期生 2017年

前田塾に参加したのは、大学1年生の夏です。当時あった選抜コースの11期生になります。

大学に入学して、テニスサークルに入って、それなりに楽しくはやっていたんだけど、物足りなくて。大学時代にビジネス的なことをやりたいという思いがありました。そんなときに、高校の先輩のFacebookで、前田塾のことを知りました。

前田塾には、ビジネスの素養・教養を学べることの他に、熱意ある人に出会えることを期待していました。結果はもちろん、期待以上のものでした。

熱量の高い仲間と一緒にいるのは大事だということは、当時から実感していたんです。コミュニティが変わると、自分の中のスタンダードが変わり、行動が変わりますから。

実際、前田塾で影響を受けて、コースが終わってすぐ、ビジネス力をつけるためにインターンに挑戦しました。それも前田さんに紹介してもらいました。

当時の仲間とは、最近は結婚式の2次会で会ったりしますね。すごく幸せなことだと思います。

前田さんは、考える力があり、徹底的に考える人。層が深いと感じています。また、人への影響力がありますよね。前田塾のあと、前田さんがメンタ―をしているタームを選んで、武者修行にも参加し、勉強させてもらいました。

前田塾は、学びながら影響を受け、自分を変えるきっかけになりました。

社会人になると、新たなコミュニティを生成する機会はどんどんなくなってきます。やりたいこと、やるべきことが明確になればなるほど、深く専門的に、自分の意図に合った人に出会う場に行くようになるので、思わぬ出会いが生まれにくいと実感しています。

コミュニティが必要なときと、そうでないときがあると思います。今僕は、自分の課題が明確なので、あえて専門的に深めていきたい段階におり、仕事で成果を出していくことが、最大の挑戦です。

もしコミュニティが必要なフェーズにあるのなら、前田塾は、異業種の多様な人がいて、ユニークなコミュニティ形成のチャンスがある場ですね。大学に入ってやりたいことが見つからない人や、今いるコミュニティでは物足りない、ちょっと違和感がある、そんな人に、前田塾をお勧めします。

 

元気でやんちゃでうるさかった元・ガキ大将は、自分のやりたいことが明確です。

そして、それは今やりたいことだけど、将来的には変わるかもしれない……そんなことは全く気にしていません。

今はグローバルに活躍する彼でも、他人と比べてしまい、落ち込んでいた時期もありました。

でもやっぱり、自分らしい自然な姿に戻ることで、活力を取り戻しました。

「今見える世界がまだまだ狭いことも分かっている」と言いながら、とりあえず今いるフィールドで、遊ぶように働く姿は、とても生き生きしていました。